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徒然なる妄想の日々
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誕生日おめでとう総士!!
今日は朝から蒼穹、絶好の鮒日和な地元でした。
今日の今頃はまだ残業中で、映画館に行くことが出来ず、総士のボイスがゲットできずに悔しい思いをしましたが、今年はニコ生を視聴すべく準備万端ですvvv
イベント会場では参加される皆様が集まってきているようですね。
是非とも楽しんで、大いに盛り上がって頂きたいものですvv
しかもここへきて新作グッズも発表されおる・・・!欲しい・・・っ!!
通販されるものと信じております、よ・・・!!!(><)

えと、誕生日にあわせて更新したかったのですが、またしても間に合わなかったです・・・onz
ネタは決まっているのですが、書いても書いても終わらない・・・上手く纏まらないまま今日になってしまったので、とりあえず一番書きたかったとこだけ小話にして続きに放り込んでおきます。
急いでまとめたので、色々と消化不良の部分が多かったり文章がごちゃごちゃしてるのは多めに見てくださいませ。(^^;)
本当は前日譚、後日譚まで含めて考えていたので、また仕立て直してアップできたらな、と思っています。
来年の誕生日までには・・・(笑)
エグゾダスでどうなるか不安なだけに、今くらいは幸せな誕生日を過ごして欲しいのです。







暗い夜空に鮮やかな光の花が咲く。
細い糸のような真っ直ぐな軌跡を描いて高く昇り、低い破裂音とともに一瞬で花開く。
それはすぐに残像を残して消えてしまう儚い命だけれど、それが幾つも幾つも開いては消えていく様は、満開に咲き誇る群舞のように闇夜に映える。
――季節外れの、冬の花火。
「本当は、ちゃんと形のあるプレゼントをしたかったんだけど、」
花火の彩りに顔を染めて、ぼそぼそと早口に一騎が言う。
「何がいいのか、思いつかなくて・・・」
お前って物に執着しない性質だし、と言い訳をするように言葉を継ぐ。
「こんなことを、していたのか・・・」
花火に視線を向けたまま、呆然としたように総士が呟く。
どうりで姿を見なかったはずだ、と思わず漏れ出た言葉に、一騎がうっとバツの悪い顔をするのが見えた。
総士が島に戻ってからというもの、引き裂かれていた時間を埋めるかのように時間が許す限りべったりと――それこそ朝も昼も夜も、だ――総士に張り付いていた一騎である。
一騎が朝から全く姿を見せないことを、おかしいと総士が認識するほどには、それは日常の景色になっていた。
総士としても、何かあったのだろうかと思って一騎の姿を探してみたのだ。
だが、自宅をはじめ学校にもアルヴィスにも姿はなく、しかも行く先々で行方を尋ねてみると皆一様に曖昧な笑みで首を振るばかりだった。
CDCで気象データをチェックしていたカノンは、今日は条件がいいぞ運が良い、と機嫌よく呟いた。
ブルクで小楯保の指導の下、なぜか弾薬をいじっていた剣司は、まあ夜まで待ってれば良いさと含むように微笑した。
遠距離狙撃用のスコープを除きながら溝口と何やら言い合っていた真矢は、彼女特有の全てを見透かしたような眼差しで、一騎君には一騎君の考えがあるんだよ大丈夫、と意味深に頷いた。
更にはワルキューレの岩戸で顔を合わせた芹は、私も楽しみなんです、と嬉しそうに言い、揺り籠の中の赤子の乙姫はかつての彼女のように包み込むような柔らかな笑みを浮かべていた。
これは何かある――おそらくは他愛もない企み事の類だろうと、さすがの総士でも気付いた頃合に、アルヴィスの自室の電話が鳴り、探していた当の一騎に灯台まで呼び出された、というわけだ。
そうしてとにかく来てくれ、と灯台の上まで連れてこられたと同時に、ドンッと低い音が空気を震わした。
呆気にとられる総士の目の前で闇夜を彩るたくさんの花火の輝き。
プレゼント、と言った一騎の言葉の意味を、ようやく総士は把握した。
「・・・もしかして、剣司たちも一枚噛んでいるのか?」
そう思えば、彼らのはぐらかすような態度も含みを持たせた言葉も腑に落ちる。
総士の問いに、一騎はあっさりと頷いた。
「ああ。カノンが最適な時間と場所を割り出してくれて、剣司は保さんと一緒に花火つくってくれて・・・あ、これアーカイブにあった花火の資料をもとに、保さんが閃光弾を改良してくれたやつなんだ。で、打ち上げは溝口さんと遠見がやってくれてるんだ。」
やはりな、と思わず溜息をついた総士の姿をどう捉えたのか、一騎が慌てて、
「も、もちろんオレだって細かい調整したり・・・それはカノンも手伝ってくれたけど・・・あ、あと剣司の花火作りの手伝いもしたし、ほんとは今日だってオレが打ち上げるつもりだったんだけど・・・」
けれどそれは真矢にやんわりと止められてしまったのだ。
一騎君には皆城君を呼び出すっていう一番重要な役割があるでしょ、と柔らかいが確固とした口調で断定されてしまえば、一騎は頷かざるを得なかった。
けれどもそうして考えてみれば、他ならぬ総士へのプレゼント企画のはずなのに、自分自身が一番何も出来ていない気がして何だか落ち込んでくる一騎である。
悄然とした一騎の様子に、内心の忸怩たる思いが透けて見えるようで、総士は思わず微笑んだ。
そうして総士には、もう一つ察していることがある。
「一騎、聞いてもいいか?」
けれどもそれを一騎の口から聞きたいから、あえて問いかけてみる。
「なんだ?」
顔を上げた一騎を、少し眩しそうに見据えて。
「どうして、花火なんだ?」
物に執着しない総士に、一騎が選んだ花火の色彩。
真っ直ぐに天高く駆け上り、闇夜に束の間花開く鮮やかな光の花束。
消えた後でも、その残像はいつまでも目蓋の裏に残る。
「・・・お前が喜ぶものって、正直あまり良く分からなくて、」
総士に促されるまま、一騎はぽつりと内心を吐露する。
けれどもその双眸は、もはや項垂れることなく真っ直ぐな視線を取り戻している。
「だったら、皆に届くものがいいなって思って。」
総士が大切にしている、皆に。
この島にいる人達に。
この島の大気になった、乙姫に。
遠い海にいる甲洋にも。
空に羽ばたいていった翔子にも、衛や道夫たちにも。
無の世界で生まれ変わろうとしている、来主操にも。
この光の花が、届くといい。
その一騎の気持ちが何よりも嬉しいものなのだと、総士はそっと噛み締める。
「皆に助けてもらってばかりで、オレの力で出来た部分が少ないのが悔しいのは確かだけど、でも、皆が総士の為にって喜んで力を貸してくれて、それが本当に嬉しいんだ。」
カノンも剣司も真矢も、少しでも協力したいと申し出てくれた。
大人達も呆れた顔をしつつも、それでも楽しそうに助言をくれたり手助けをしてくれた。
自分一人の力ではないけれど、そうして皆が総士のために動いてくれる。
かつて皆に背を向けて一人で重責を背負っていた総士に、その気持ちを届けたかった。
皆に届くものを、
皆で届くものを。
だから、と言葉を切って、そうして一騎は、ぐっと力を込めて総士を見据える。
「これがオレの・・・オレ達からの、プレゼントだ。」
今日という日の重さ。
今日という日の痛み。
そして、今日という日の祝福。
「誕生日おめでとう、総士。・・・そして、」
一人きりの絶望の夜は、もう遠い。
「ありがとう。もう一度生まれ直して、戻ってきてくれて、本当に嬉しいんだ・・・!」
確かめるように抱きしめれば、確かに腕の中に感じる温もりが、泣きたいくらいに嬉しかった。


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